夜間中学校とは
夜間中学校とは法的には学校教育法施行令第25条にある二部授業
の規定を唯一の根拠としていますが、実際にはすべての人に義務教育
を保証することを最大の使命としています。現在、公立の夜間中学校は
全国で31校ありますが、うち29校が関東や関西に集中しているため
民間の支援団体などによる自主夜間中学が全国的に運営されています。
もともとは新学制が実施されて間もない1947年、昼の中学校で
貧困や差別によって生じた長欠生対策として、大阪生野第二中学校で
「夕間学級」が、1949年に神戸・駒ヶ林中学校で「夜間学級」がスタート
し、京都、奈良、三重、和歌山に広がりました。
その後、生徒減や、当時の行政管理庁が「夜間中学校は法律違反で
ある」ことを理由に早期廃止勧告を出したため減少しましたが、東京
荒川九中二部卒業生の髙野雅夫氏らによる設立運動の結果1969年
天王寺夜間中学校が開校したのを契機に学校数が増加に転じました。
その後、時々の社会状況を反映しつつ今日に至ています。しかし
いつの時代でも夜間中学校は「教育弱者」ともいえる人々の義務教育
を保障・補償する場として役割は変わっていません。
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